2016年02月08日

PTWのギアBOX  その5

ギアBOXトラブル例
PTWのギアBOX内部のトラブル例は比較的少ないです。
ただ、この記事(ギアBOX編)を書いている時にタイムリー?にプラネタリーギア関係の
トラブルが発生しました(´Д`;) 昨日の事です...

その個体は少し前に弾詰まりが原因と思われるピストンロック状態に陥り当店に持ち込
まれました。ギアBOXのセクターギアとシリンダーのラックギアの山同士が噛み込んだ
状態でお客様ではテイクダウンさえ出来ない様な固着状態でした。
専用工具を使いなんとかテイクダウンして調べたところ見える部分ではピストンレール部
分に多少の剥けがあった程度だったのでその部分を補正(樹脂部分なのでカッターで整
形)し試運転を行ったところ特に問題も無く動作した為暫く使って貰う事になりました。
本来であればピストンassy交換がベストですがコストの関係もあるので...

それから数日して同じ個体でレンジにて弾道調整中にいきなり動作停止してしまいLED
点滅となりました。お客様にて分解しギアBOX内部を確認して戴いた結果ピニオンギア
の歯が一枚欠けているとの事で交換修理と相成りました。


この個体はSTDグレードなので負荷の掛かる一番上のみ切削品のプラネタリーギアで
残りは焼結品のプラネタリーギアになります。その焼結プラネタリーギアの歯が一枚欠
けてしまいインターナルセクターギア内部に欠けた歯が挟まってロックしてしまった訳です。

当店に持ち込んで戴き原因を探りつつ説明し破損した焼結プラネタリーギアを交換した
のですが手回しの試運転でもやはりロックします。万が一の事も考えて焼結ギア全て(3個)
とプラネタリーギアシャフトまで予防交換したのに何故。。。(´Д`;)

お客様と「???」って感じで消去法で関連するパーツを順に交換。
ロックした際の負荷でインターナルセクタギアが変形??? インターナルセクタギアを
交換するもやはりロック(´Д`;)

次に残るパーツは一個だけの切削プラネタリーギア。

グリスを拭い取りよく観察して見ると...あ!!変形してる・・・
なんとかなりの強度を誇る切削プラネタリーギアの歯が変形してます。
欠けてはいませんがよく見ると変形していた訳です。。。

最終的に、切削プラネタリーギア一個と焼結プラネタリーギア3個、プラネタリーギアシャフト
4本を交換して無事修理完了しました。ギアシャフトに関しては交換が必要だったかどうかは
定かでは無いですが切削ギアが変形するほどのストレスか掛かっているので予防交換と言う
事で...

ついでにギアBOXを簡易OHしたのは言うまでも無いです。破片が残ってるかもしれないで
すからね...

今回の教訓ですがピストンロックする様な「事故」の際はギアBOX内部まで確認した方がよ
かったのかもしれません。ただ、一回目の修理後、当方の試射も含めると数百発は撃ってい
るのでその場でギアケースを開いて点検してもプラネタリーギアの破損は発見出来なかった
可能性もありますね...非破壊検査でもしない限りは分からないので(´Д`;) 
そこまでコスト掛けて点検するなら一旦内部のギアを全て新品交換する方が安いかも?



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